映写窓

地方映画館に勤める支配人による日々の映画の覚え書き

『勝手にふるえてろ』(2017)

©2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会 毎年、花粉が飛び始める時期になると、自分の身体の適応能力の低さに愕然とする。 まだおれの身体は花粉を克服することができないのか…。というか花粉が飛んでない時期にそれに抗うよう準備ができなかったのかと、…

『Away』(2019)

©️2019 DREAM WELL STUDIO. All Rights Reserved. 『Away』 [2019年/ラトビア/81分] ヨーロッパ東部に位置するラトビアから届いた『Away』は、ギンツ・ジルバロディス監督のアニメーション映画です。3年半を費やし、なんと監督ひとりで…

『チョコレートドーナツ』(2012)

(c) 2012 FAMLEEFILM, LLC 今作は2014年に日本公開された作品で、その当時口コミで話題が広がり、東京のあちこちのミニシアターで上映されていた記憶があります。 その人気は今でも根強く、ここ最近でも舞台化され、先日上田でも上演がありました。公開から…

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』

© 2019, Hatch House Media Ltd. 僕はこれまで、トルーマン・カポーティといえば、オードリー・ヘップバーンが出演した『ティファニーで朝食を』の原作者、というぐらいの認識しかありませんでした。映画のなかで描かれるのは、ついぞ日の目を見なかった未完…

『ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画』

© 2019 FOX STAR STUDIOS A DIVISION OF STAR INDIA PRIVATE LIMITED AND CAPE OF GOOD FILMS LLP, ALL RIGHTS RESERVED. 『ゼロ・グラビティ』の製作費(1億ドル)よりも安い費用(7400万ドル)で、火星探査を実現させてしまったインド宇宙開発事業驚愕の実話。…

ゴダールと記憶 『イメージの本』公開に寄せて

© Casa Azul Films - Ecran Noir Productions - 2018 おそらく、5年前の自分に上田でジャン=リュック・ゴダールの新作がかかるよ、と言ってもにわかに信じないと思う。そもそも、5年後にゴダールが生きているのか(御年88歳)と、そこの部分のほうが半信半…

時代に埋もれる前に―『三里塚のイカロス』

「成田空港のその下に “あの時代”が 埋まっている」 これは、映画『三里塚のイカロス』のポスターやチラシの表面に大きく書かれているキャッチコピーです。 僕は、この映画を観るまで「三里塚闘争」について知りませんでした。 さらに、成田空港という羽田と…

「たかが恋、されど愛」—『南瓜とマヨネーズ』

ツチダ(臼田あさ美)は、ライブハウスで働く傍ら、キャバクラでも働く。 年齢のサバを読み、気持ちの悪い客から脚や胸を触られ、後輩からは「すぐに辞める」と悪態をつかれながらも必死に働く。さらには、店の客と愛人関係も結ぶ。 全てはお金のため。そのお…

【映画たべくらべ】『リングサイド・ストーリー』と『南瓜とマヨネーズ』の共通点について

普段、様々な映画を観ていくと、意外な角度から作品を観ることができることに気づく。 監督や俳優、好きなアーティストが音楽を担当していたり、小説や漫画の原作だったりと、それこそ百人百様の角度から映画を観ていることだろう。 そうした様々な観方をし…

「永遠」の途中―――『エタニティ 永遠の花たちへ』

『エタニティ 永遠の花たちへ』 監督:トラン・アン・ユン 出演:オドレイ・トトゥ、メラニー・ロラン、ベレニス・ベジョ、ジェレミー・レニエ、ピエール・ドゥラドンシャン 2016年/フランス=ベルギー合作/フランス語/カラー/シネマスコープ/1時間55分…

映写室からこんにちは。

昨年春から地方の単館系映画館に勤める 新米支配人の日々の覚え書きです。 今年は、なるべく観た作品を文字化します…! なるべく…! 末筆ながら、よろしくお願いいたします。 N.S