映写窓

地方映画館に勤める支配人による日々の映画の覚え書き

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』

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© 2019, Hatch House Media Ltd.

僕はこれまで、トルーマン・カポーティといえば、オードリー・ヘップバーンが出演した『ティファニーで朝食を』の原作者、というぐらいの認識しかありませんでした。
映画のなかで描かれるのは、ついぞ日の目を見なかった未完の問題作「叶えられた祈り」を中心に、トルーマンの人となりを酸いも甘いも知っている人々の証言の数々。

彼らから語られるトルーマンの姿は、スタイリッシュで、挑発的で、先鋭的で、そして破滅的。稀代の名作家がセンセーショナルにその人生を駆け抜けた様子が語られています。
ある記者が保存し、これまで非公開だった取材テープから流れる生の声や、カルチャーやアート、そしてセレブたちの貴重な映像がトルーマンが生きた時代を擬似体験しているかのよう。

これまで触れることのなかった世界、知ることのなかった世界を、映像と音で体感し、少しだけその時代の空気を感じることができるのが映画を観た人にのみ与えられた特権なのかもしれません。

 

◎上田映劇[上映期間:1/16(土)~1/29(金)]

 

▶▷上田映劇 作品紹介ページ

www.uedaeigeki.com

 

▶▷公式サイト

capotetapes-movie.com